医学部受験コラム MEDICAL COLUMN
体調管理
医学部受験真っ只中!親子で読み直したい「体調管理の基本のキ」
2020.01.24
2020年も明けて、いよいよ受験シーズンに突入しました。これまで蓄積してきた学習成果を十二分に発揮できるよう、わが子には万全の体制を整えて試験に臨んで欲しいものです。
受験当日に100%の実力を出し切るためにも、健康維持は重要なミッションのひとつ。特にインフルエンザは毎年1月から2月が流行のピークとなるので、感染予防に細心の注意が必要となります。受験生は連日の徹夜勉強で体力が落ちており、普段よりも免疫力が低下しがちです。この時期、どんなことに注意しながら健康を維持すればいいのか、考えていきましょう。
親が心がけるべき受験生の健康管理
通学途中の電車やバスの中、そして学校・予備校内…多くの人が行き来する場所であればどこでも、インフルエンザをはじめとするウイルス感染の危険はつきまといます。そのような感染リスクを抑えるために、朝出かけるときにはマスクをさせ、学校や予備校から帰ってきたらすぐにうがい、手洗いをするよう声をかけてあげてください。
基本的なことではありますが、加湿器を使って室内が乾燥しないよう湿度調整したり、定期的に窓を開閉して換気をしたり、手が触れる場所にウイルスや細菌を取り除く除菌スプレーを噴霧することも効果的です。
次に気を付けたいのは生活リズムの乱れです。平日は連日徹夜で勉強して、週末にまとめて睡眠をとるという受験生もいるようですが、それではかえって身体の変調につながりかねません。毎日の睡眠リズムは変えずに、徹夜することのない、効率重視の学習計画を立てるよう促してあげましょう。
また、「徹夜勉強が続いたため寝坊をしてしまい、朝ご飯を食べずに会場へ向かう」なんてことも避けたいものです。受験生のために親ができる最も重要なことは、「栄養バランスのいい食事づくり」といえます。免疫力を高めるといわれている米や玄米などの穀類、食物繊維が豊富な海藻やキノコ類、カルシウムが摂れる小魚、納豆やヨーグルトなどの発酵食品、ビタミンたっぷりの緑黄色野菜を上手に組み合わせて、彩りよく食欲をそそる美味しいメニューを作ってあげてください。
受験生が心穏やかに過ごせる家庭環境づくりも大切です。「調子はどう?」など勉強の進み具合を確認したり、勉強中の子どもを尻目に、家族がTVに夢中になっていたりすると、受験生の心は乱れてしまい、勉強に集中できなくなってしまいます。受験生がリラックスして学習できる雰囲気をつくってあげるよう心がけましょう。
受験生自身はどんなことを心がけている?
元受験生を対象にしたトレンド総研のアンケートでは、体調管理のために心がけていることについて、最も多かった回答が「十分な睡眠」、2番目に「バランスのいい食事」、次いで「外出時にマスクを着用」という結果になっていました。受験生自身も睡眠・食事・感染回避に気を使っていますので、家族のサポートも伴えば百人力です。また同調査では、「受験1ヵ月前から受験日までの間に体調を崩した」との回答が約3割、「入試当日に体調が悪かった」との回答が約1割あったそうです。思いのほか不調のまま試験に臨んでいる割合が多いですよね。日々気を付けているにもかかわらず、10人に1人が試験当日にコンディションを崩してしまうとは、現実はなかなか厳しいものです。
受験生は「精神面の健康管理」も大切
試験を終えて帰ってきた受験生はみんな、試験会場にいるほかの受験生が「自分より頭のいい人に見えた」といいます。これは誰でも感じうる心理的現象で、実際は相手の受験生も同じ思いを持っています。家族に送られて威勢よく試験会場に入っていく人、休み時間に同じ学校の友人同士で楽しそうに話している人たちを見ていると、余裕がありそうに思え、「自分のほうが劣っているのでは?」と勘違いしてしまうのです。しかし、それはまやかしにすぎません。自分自身を信じる強いメンタルを持てば、そのようなことに惑わされず、試験に集中できます。
それでは、試験当日に強いメンタルを保つためにはどうしたらよいでしょうか。方法のひとつとして、試験会場にお気に入りの「お守りグッズ」を持参する人は多いです。子どものころからお参りしている神社で授かった合格祈願のお守りや、成績がよかった模擬試験のときに使った筆記用具、気に入っているマスコット人形やキーホルダーなど、自分自身の験(げん)を担ぐモノを持って試験会場に入ることで、心が落ち着き、平常心で試験に臨むことができるはずです。
とにかく、周囲の空気に呑まれないことが肝心です。ほかの受験生も同じ不安を抱えて試験会場にいます。「みんな自分と同じだ」ということを念頭に置いていれば、余計な緊張も解けることでしょう。
受験生は「基本的な体調管理」を徹底しよう
・外出時は、体温調節が容易な「重ね着」で
寒い冬とはいえ必要以上に厚着をしていると、暖かい室内では汗をかき、外に出ると汗が冷えるため、急激に体温が低下してしまいます。薄い服を重ね着し、脱ぎ着しながら体温調節できる服装を心がけましょう。体温が1度下がると、免疫力は30%も下がるといわれています。また血行も悪くなるので、健康面でさらに悪影響となります。外出時にはカイロなどの保温グッズを携帯して暖を取りましょう。
・乾燥しないよう、「水分補給」は欠かさずに
夏ほどではありませんが、冬でも水分補給は大切な体調管理の手段です。冬は気温の低下で空気が乾燥しているため、肌から水分が奪われ、同じように乾いた空気を吸っている鼻や喉も乾燥状態になりがちです。夏と同様、こまめに水分補給をしましょう。
・「うがい」「手洗い」を習慣に
「せき」や「くしゃみ」の飛沫は周囲1m~2mまで広がるといわれています。密閉された電車内などでは、ウイルスに汚染された空気が循環している状態なので、たとえ、せきやくしゃみをした人から離れていても、防ぎようがありません。風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症にかからないために、外出から帰ったら「うがい」と「手洗い」の習慣を身につけましょう。また外出時はマスクを着用することで感染リスクが低くなります。
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