医学部受験コラム MEDICAL COLUMN

受験対策

手ごたえ最悪だった…「後期試験」を狙うべきか、浪人か?

2020.02.09

亀井 孝祥
医学部受験予備校メディカ代表

大学受験の入り口であるセンター試験が終わり、私立医学部の「前期試験」もあと数校を残すのみとなりました。実力が発揮できた人、思ったより得点できなかった人、さまざまだと思います。一段落ついた気分でホッとしているのも束の間、試験結果があまり芳しくなかった人は、次なる関門「後期試験」へのチャレンジを考えなければなりません。後期試験の出願はセンター試験終了直後からスタートしますが、これを受けるべきか、受けるとなればどの医学部にするかを決めなくてはなりません。

もし後期試験で志望校でない大学しか合格できなかった場合、そこに進学すべきか、初志を貫き第一志望再受験のため浪人するか、悩ましいところです。

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後期試験は「滑り止め」ではない

センター試験や私立医学部の「前期試験」の結果が良くなかった場合は、改めて「後期試験」にチャレンジするという手段があります。ここで第一志望の医学部をもう一度受けるか、または合格安全圏にある他学部、第二志望の医学部を受けるか、選択を迫られます。

国公立大の医学部を志望する受験生は、前期も後期も第一志望の医学部のみを受験する人が多いですが、前期が終わった段階で「第一志望合格は厳しい」と判断すれば、後期は第一志望よりランクの低い国公立大、または私立大の医学部に切り替える人も少なくありません。

後期試験は前期と比べて募集人数が少ないため、倍率が高くなる傾向にあります。しかし、必ずしも難易度が高い、受かりにくいとは限りません。なぜなら、優秀な受験生は前期試験で合格しており、後期試験を受ける必要がなくなるので、後期試験自体の偏差値が下がっている可能性があるからです。とはいっても、優秀な受験生がまったく受験しないとも限りません。やはり後期試験は倍率、難易度が高いと考えておいたほうが無難なので、「滑り止め」とは考えず、前期試験と同じような態勢で臨みましょう。

後期試験の出題傾向は、前期試験の時と変わります。試験科目が変わることがありますし、内容や出題傾向、解答形式もガラっと変更する大学も少なくありません。そのため試験対策も複雑になります。

前期試験で第一志望の不合格が確定してしまったら、後期試験に挑戦してもよいでしょう。しかし、第一志望の大学が後期試験を実施していなかったり、大学として実施していても、志望する学部の後期試験が存在しないということもあります。何とかして現役合格を目指したいならば、他の大学を受けざるを得なくなります。ここで問題なのは、後期試験で第一志望以外の大学・学部に合格してしまった場合です。第一志望ではない大学に進学してしまって良いものでしょうか? それとも第一志望合格を目指して浪人した方がよいでしょうか? 二肢選択が迫られます。

第一志望以外の大学に「進学」したケース

受験生Aさんは、「国公立大なら第一志望でなくても良い」という思いから、第一志望以外の地方国公立大の後期試験を受けて合格しました。試験当日、地元の人の温かさに触れ、また大学の雰囲気も好印象だったので、「もし合格したらこの大学に通っても良いかな」と思ったそうです。「浪人は経済的、精神的にもキツいし、予備校に通ったからといって必ず自分の学力が伸ばせるという確信がないので、進学することを決めました」というAさん。自分の進路選択に迷いはないとのことです。

リベンジを誓って「浪人」したケース

ブランド力がある医学部には、当然に能力の高い学生が集まってきます。人間は周囲から影響を受けながら成長していく生き物なので、優秀な学生が集まる環境に身を置くことで、自分自身のポテンシャルを伸ばすことができます。すなわち、優秀な医学部とそうでない医学部とでは、学生の成長速度に歴然とした差が出てしまうということです。

後期試験で地方大学の医学部に受かった受験生Bさん。地元(東京)から離れて暮らすことへの不安と、地元の友人と別れ別れになりたくないという理由から、浪人を決めました。

「合格できたときはとても嬉しかったのですが、受かってみると、『もう一度挑戦しなかったら後悔するかもしれない』という気持ちが強くなりました。それに加え、地方大学卒では将来の就職に不利になるかもしれないという心配も後押しになりました」と語るBさん。向上心を捨てずに浪人を決めた強い意思は立派です。また、Bさんのように働きたい地域が決まっているのなら、浪人してでもその地域にある医学部に進学したほうが賢明かもしれません。

進学して受験勉強も続ける「仮面浪人」ケース

後期試験は「仮面浪人(かめんろうにん)の巣」といわれます。仮面浪人とは、第一志望ではない大学にとりあえず進学しておき、並行して次年度の第一志望合格に向けた受験勉強も続けている受験生のことです。「第一志望の大学へ行きたい。でも留年するのはイヤ」という受験生の常套手段となっており、大学に通って単位を取得しながら受験勉強を続ける「単位履修型仮面浪人」、入学早々に休学手続きをして受験勉強に専念する「在籍・休学型仮面浪人」、決心して入った大学の雰囲気が合わない、または入学したもののやはり第一志望校が諦められないため、1年次の途中から予備校へ通い始める「中途切換型仮面浪人」の3パターンに分類されます。仮面浪人のメリットは…

・もし次回の受験に失敗しても、そのまま今の大学に在籍していれば現役学生でいられる。

・今在籍している大学で取得した単位が、次に合格した第一志望大学の単位に引き継ぐことができる場合もある。

一方、デメリットもあります。

・サークル活動や学祭などのイベントが目白押しで、受験勉強に専念できない。

・同じ仮面浪人している友人が少なく、理解されず孤立してしまう。

・大学学費のほか、予備校の授業料、次年度の受験料など経済的負担が大きい。

「大学全入時代」だからこそ頂点を目指す

自らが過去に浪人を体験している親は、子どもに自分と同じ苦労をさせたくないという気持ちから後期試験をすすめ、「志望校でなくてもいいから、受かった大学に行きなさい」と説得するケースも多いそうです。このように親が浪人を勧めない背景があるため、浪人生の数は年々減少しています。

少子化の恩恵もありますが、今は大学合格率9割以上という大学全入時代です。とはいっても、すべての受験生が第一志望の大学に入学できるわけではありません。親の要望もあり、志望校合格よりも現役合格が優先されているということでしょう。こんな時代だからこそ、あえて第一志望にこだわり、より良い未来を勝ち取るべきではないでしょうか。本当に行きたい、自分にふさわしい医学部はどこなのか、ブレずに考えていただきたいと思います。

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