医学部受験コラム MEDICAL COLUMN
親子関係
【医学部不合格】でも、「歯学・薬学・ブランド大の他学部」に合格…親はどう決断する?
2020.01.31
受験生にとって、第一志望の医学部合格は絶対の夢であり、医学部ならどこでも良いというわけではありません。「滑り止め」とはいいますが、第二志望以下の医学部に入ることなんて…と考える人も多いはず。誰しもが、第一志望に入学する自分の姿をイメージして頑張っているのです。
そんな受験生が、滑り止めの医学部は合格したものの、第一志望に落ちてしまったら…親として、彼らにどのような未来を指し示してあげれば良いのでしょう。
「受験に失敗した」という意識が長年払拭できず、就業後もコンプレックスを抱えてしまう人がいます。一方、「医療を学べるなら第二志望でも良い」と割り切れる人もいます。現役で第二志望に進むか、浪人して第一志望にリベンジするか、わが子にとってどちらの選択肢が正解か、親子一緒に考えなければなりません。
落ち込む受験生、親はどう受け止める?
「第一志望不合格」という事実を目の当たりにした受験生はどんな気持ちになるでしょう。人生の大失敗、親や友だちに合わせる顔がない…そんな思いが、頭の中を駆け巡っているかもしれません。必死で勉強したのに思いがけない結果となり、相当落胆しているはずです。こんな時、受験生の心が晴れやかになったり、またはより沈んでしまったりするのは「親の対応次第」です。
「あなたは頑張ったよ」、「次に頑張ればいいよ」、実はこれらはNGワードです。厳密に伝えるなら、NGというよりも、親のほうから先に発してはいけない言葉です。受験生は精一杯頑張ってきたのですから、自分が「頑張った」ことはわかっていますし、それ以上に「次」のことを言われるのも辛いです。本人は自暴自棄になっていますから、他人からなぐさめの言葉をかけられても、イヤミにしか聞こえないことだってあるのです。
親は受験生本人が語り始めるのをじっと待ち、ポツリとでも言葉が出てきたらしっかり聞いて、受け止めてあげればよいのです。本人が「あんなに頑張ったのに…」とつぶやいたら、親は「そうだよね、よく頑張ったよね」と合槌を打ってあげましょう。「あなたの気持ち、よくわかるよ。お母さんも経験があるよ」と共感の言葉を返すなど、子どもの言葉を何度か反復、共感した上で「お疲れさま」と労ってあげることで、本人の苦しみはいくらか癒されます。
思い切り泣かせてあげるのも良いでしょう。具体的すぎるアドバイスや、今後どうするのかなどの現実的な話は後にして、この日はひたすら本人の気持ちを汲んであげましょう。
滑り止めの医学部、または他学部に入る?
第一志望ではないものの、ほかの医学部、または歯学部や看護学部などの他学部には合格できたとしましょう。とりあえずそれらに入学し、並行して来年度リベンジに向けた受験勉強を続けるという手もあります。
ちなみに、看護学部や歯学部の入学者の約3割が医学部受験に失敗した人たちと聞きます。ここから医学部再受験や学士編入による医学部入学を狙うのです。
しかし、日々の授業や校内行事、学生同士の交流に時間を取られ、受験勉強との両立が難しくなることから、医学部リベンジは困難になってしまうようです。医療を志すという強い気持ちがあるのなら、第一志望に固執する必要はないかもしれませんが、ランク上位の医学部に進めば、優秀な学生とともに切磋琢磨しながら医療の知識を習得することができます。できることなら、浪人してでも第一志望の医学部に進んでもらいたいものです。
しかし、浪人にはさまざまなリスクがあります。浪人生は現役生に比べて「伸びしろがない」といわれていることを、知っている方も少なくないでしょう。また、浪人生の生活には時間の縛りがないため、ルーズな性格の人が宅と浪する、勉強がはかどりません。自己管理ができない人は医学部予備校へ通うという手段もありますが、授業料など経済的な負担がかかってきます。当然ではありますが、もう1度受験にチャレンジすることで、模試や入試の受験料、会場へ行くための交通費や宿泊代もまた払わなければなりません。
浪人中の精神状態も心配です。社会のどこにも属せず、毎日勉強ばかりして、現役入学した友人たちの晴れやかな姿を横目に見ながら1年間過ごすわけですから、その孤独の深さとプレッシャーの重圧は計り知れません。それでも浪人する覚悟があるでしょうか。
予備校の講師とスタッフは、教え子である受験生が第一志望に落ちたと報告を受けたとき、筆舌尽くしがたい気持ちになります。ベストな進路へ導くべきなのに、結果的に「諦め」や「妥協」を助長するような結果になってしまったからです。もう一度チャレンジしてくれるなら、講師陣も共にリベンジを誓い、必ず第一志望に合格させる意気込みで取り組みたいと強く願います。
浪人させるか、させないか。親の決断は?
「第一志望に落ちた」という心のキズはかなり長期間残るようで、就業後もコンプレックスになり、その結果、仕事で消極的になってしまうケースも耳にします。人生には妥協しなければならない場面もありますが、チャレンジできる環境が整っているのなら、ぜひリベンジしていただきたいです。
これから浪人生活に入る皆さん、前述した通り、宅浪では自己管理が難しく、効率的に勉強ができるとは考えられません。授業料など費用もかかることなので、ご家族で相談した上で医学部予備校へ通うことをおすすめします。
予備校では、カリキュラムによって学習時間の管理が容易にできることはもちろん、予備校に通う学生になることで所属欲求も満たされます。自己分析ができなくても、講師が客観的に指導してくれるので、より効率的に弱点の克服ができます。自分に合った学習方法が見い出せれば、第一志望合格にグッと近づきます。
予備校によって教育方針などが異なりますので、十分に情報収集をして自分に合った一校を見つけましょう。ちなみに「医学部予備校メディカ」は、受験本番を想定した反復テストを年間150回以上実施、テストのたびに講師からのコメント付きでフィードバック、希望者はいつでも個別相談を受けることができます。また、おざなりになりがちな教科書レベルからの指導も徹底しており、「わかってるつもり」誤認を徹底排除していきます。
最後に、浪人をしようとする受験生に対し、親御さんは以下の2点を確認してください。
ひとつは「なぜその医学部に行きたいのか」についてです。「学費が安いから」とか、「家から通いやすいから」などではなく、「教育体制や校風に惹かれた」、「同大学出身の医師を尊敬している」など、志望校ならではの理由があるかどうかについて聞いてください。その大学に行くべき理由を明確に語ることができなければ、浪人してでも行く価値のある医学部ではないということです。
もうひとつは、今回不合格になった原因についてどう考えているかについてです。「勉強時間が足りなかったから」とか、「なぜ不合格になったのかわからない」という答えなら、自己分析はおろか、過去の失敗の振り返りもできていないので、浪人してもまた同じ失敗を繰り返す、すなわち不合格になる可能性が高いということです。
お金や時間がかかる上、精神的負担も重い浪人生活に耐えられることができるのか、親子で慎重に考えて、最善の答えを導き出していただきたいと思います。
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