医学部受験コラム MEDICAL COLUMN

受験動向

医学部「学費値下げ」で話題になっている大学は?最新情報を公開!

2019.12.25

亀井 孝祥
医学部受験予備校メディカ代表

平成の初めごろまで、高校生の大学進学率は就職率を下回っていましたが、現在では卒業生の半数以上が進学する時代となりました。この流れに乗ろうと、受け皿となる大学が続々開学しています。

その一方で少子化・地方過疎化の影響を受けてか、平成20年前後より、定員割れする大学も見られるようになりました。どうにか学生を獲得したい大学側は、「校内施設のリニューアル」「教授・講師陣の充実」といった施策を打ち出すなど、経営に四苦八苦しています。

医学部においても、同様の問題が発生しています。

医学部を置く大学は、全国80校余りにまで増加しており、今年に至っては、私大医学部のうち21大学が、文科省に定員数増加を申請しました。本来2019年度までの限定措置であった「地域の医師確保の観点からの定員増(地域枠)」「研究医養成のための定員増(研究医枠)」「歯学部入学定員の削減を行う大学の特例による定員増(歯学部振替枠)」が2021年度まで延長され、医学生の募集枠が広がっているのです。

このような状況でありながらも、6年間で2000万円から3000万円という暴額な学費がネックとなり、受験を諦めてしまう学生が少なくありません。しかし、医学部受験生が減ってしまえば、地域医療・果ては日本の未来にも関わります。そのため、医師の卵を確実に養成しようと、多くの大学が「学費の値下げ」を実施しています。

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近年、学費を値下げした私大医学部

<順天堂大学>

学費総費用(2019年度入学):20,800,000円/予想偏差値:70.0

2008年度入試の際に、約900万円の値下げを行い話題になりました。これ以降、各私大医学部の学費値下げがトレンドになっています。要件を満たせば、学費減免制度のほか、東京都・新潟県・千葉県・埼玉県・静岡県の自治体との提携による奨学金制度も利用できます。

<日本医科大学>

学費総費用(2019年度入学):22,298,000円/予想偏差値:70.0

2018年度から570万円の値下げをしたことにより、ともに「東京の私立医学部新御三家」と呼ばれる順天堂大学や慈恵医科大学と肩を並べ、私立医学部人気トップ10に返り咲くことができました。日本医科大学は、浪人生や女性受験生に対して公平なイメージがあり、実際に、多浪生も多く合格を果たしているようです。

要件を満たせば、特待生制度のほか、千葉県・福島県・埼玉県・静岡県・東京都・茨城県の自治体との提携による奨学金制度も利用できます。

<昭和大学>

学費総費用(2019年度入学):23,072,000円/予想偏差値:67.5

2013年度から、入試要件により400万円から450万円の値下げを実行しました。当然受験者数は増加し、昨年度の志願倍率は一般前期で46倍、後期で86倍と高水準でした。しかし2020年度には、老朽化した教育施設のリニューアル費用が加算されることに伴い、6年間で約500万円の学費が値上げされます。要件を満たせば、大学独自の奨学金のほか、地方公共団体奨学金、民間育英団体奨学金制度なども利用できます。

<東邦大学>

学費総費用(2019年度入学):26,298,000円/予想偏差値:67.5

女性医師支援室や男女共同参画推進室を設置するなど、女性医師の育成にも力を入れている東邦大学も、2013年度から約600万円の値下げを実施しました。要件を満たせば、大学独自の奨学金制度も利用できます。

<東京医科大学>

学費総費用(2019年度入学):29,834,000円/予想偏差値:67.5

2020年以降の入試から1000万円の値下げを実行すると報道されて以降、その動向が注目されています。「不正入試」の影響か、昨年度の志願者数は平年の3分の1を下回りました。今回の学費値下げ案は、志願者数回復対策の一環とも見られます。

要件を満たせば、大学独自の奨学金のほか、茨城県・静岡県・岐阜県の自治体との提携による奨学金制度、川津哲郎奨学基金、川津哲郎奨学基金、齋藤友二郎記念奨学基金、石津俊記念奨学基金なども利用できます。

<東海大学>

学費総費用(2019年度入学):35,306,000円/予想偏差値:65.0

2012年度に414万円の値下げを行ったほか、2015年度からはさらに254万円の学費削減を実施しました。その結果、2011年度まで2000人台後半だった志願者が3000人を超え、それ以降、年を追って増え続けています。要件を満たせば、松前重義記念基金建学記念奨学金など大学独自の奨学金制度も利用できます。

<帝京大学>

学費総費用(2019年度入学):37,504,000円/予想偏差値:65.0

2014年度から1170万円の値下げを実施しました。それ以降は受験者が殺到し、志願者倍率は70倍以上に上昇しました。要件を満たせば、大学独自の奨学金のほか、福島県・千葉県・茨城県・静岡県の自治体との提携による奨学金制度も利用できます。

「訳アリ」?学費が安い私立大医学部

<自治医科大学>

学費総費用(2019年度入学):(一定要件を満たせば)実質無料/予想偏差値:67.5

へき地医療と地域医療の充実を目的に設立されました。卒業後9年間、へき地・過疎地域で医療従事することで、学費総費用が免除されます。

<産業医科大学>

学費総費用(2019年度入学): 実質11,297,000円/予想偏差値:65.0

産業医学振興や産業医養成を目的として設立されました。実際の学費総費用は3000万円程度ですが、学費総費用から入学金および授業料に相当する修学金を貸与されるため、実質負担額は少なくなっています。卒業後9年から11年間、指定された機関で勤務すればその返還が免除されます。

<国際医療福祉大学>

学費総費用(2019年度入学): 19,100,000円/予想偏差値:65.0

2017年に医学部が開設された新しい大学です。卒業後の就業縛りにより学費が免除される自治医科大学と産業医科大学を除けば、学費の安さは私立医学部で断トツ1位。そのため、入試初年度から多くの受験生が集まり、新設校ながら合格難易度の高い大学となりました。

要件を満たせば、あいおいニッセイ同和損害保険(株)奨学金や、医学部特待奨学生奨学金など、大学独自の充実した奨学金制度も利用できます。

「偏差値上位校の学費は安い」という法則

前述した各私立医学部のプロフィールを見ると、学費が低い大学ほど、偏差値が高い傾向がわかります。すなわち、お気づきだとは思いますが、学費と偏差値は「反比例」の関係が成り立っています。学費が安い医学部には多数の受験生が集まるため、その分、能力の高い学生の割合も多くなります。学費を値引きすることにより、大学はより多くの優秀な人材を取り込むことができるので、おのずと偏差値も上昇し、大学自体の評価・人気も上がっていきます。

◆学力・予算にそった最適な学校選びを

順天堂大学を発端に始まった「私立医学部の学費値下げトレンド」。一般のサラリーマン家庭でも、医学部進学の可能性が高まったことでしょう。とはいえ、ほかの兄弟・姉妹の進学資金や、自宅の住宅ローン、その他支払いなどの兼ね合いもあり、各家庭で供出できる教育費の上限はまちまちかと思います。

また、本コラムでは「私大の学費値下げ」に着目しましたが、国立大学の医学部では、学費の設定に変化が起き始めています。今年度まで、国立大学の学費は一律でしたが、千葉大学をはじめ、授業料等の値上げを発表する大学が出てきているのです。

大学独自の奨学金制度や、全国の地方自治体と提携した奨学金制度もありますので、家族と十分に相談し、最適な学校選びを心がけましょう。

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