医学部受験コラム MEDICAL COLUMN
体調管理
医学部受験ラストスパート!勉強ストレスによる「睡眠不足」の解消法は?
2019.12.30
センター試験まで30日を切り、これまで積み重ねてきた受験勉強の仕上げの時期となりました。習得知識の最終チェック、追い込みのために、毎日夜遅くまで頑張っている受験生も多いのではないでしょうか。しかし睡眠不足の日が長く続くと、次第に睡眠リズムがおかしくなってしまいます。早起きをしなければいけない日に、寝坊してしまいかねません。
センター試験は朝9時からスタート。万が一遅刻などしてしまったら、今までの努力が水の泡です。合格を勝ち取るためにも、より効果的な睡眠のとり方について、この時期から考えていきましょう。
ダラダラ夜更かししても学習効率は上がらない
睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠(REM sleep)」と、深い眠りの「ノンレム睡眠(non-REM sleep)」があります。
ノンレム睡眠は、睡眠の深さ(脳波の活動性)によってステージ1からステージ4まで4つの段階に分類され、ステージ4が最も深いレベルとされています。睡眠は、このノンレム睡眠とレム睡眠を90分から120分間隔で繰り返されることで成り立っています。
ノンレムとレムの繰り返しを5セット、すなわち一晩7時間半から10時間が理想的な睡眠時間とされていますが、受験生は、一晩3時間から5時間程度しか眠っていない人も多いです。そのような睡眠不足状態が数日間続くと、脳の機能は、お酒を飲んだあとのように身体がフラフラになる「酩酊状態」と同じレベルにまで落ちてしまいます。そのような状態で徹夜勉強を重ねても、成果が上がらないことは、いうまでもありません。
ならば、平日は深夜まで勉強して、休日にしっかり睡眠をとるなど、まとめて睡眠時間を確保しようと考える人もいることでしょう。しかし、それも賢い手段ではありません。
日によって寝起きする時間がちぐはぐになり、日々の睡眠時間のギャップが大きくなると、脳は「時差ボケ」のような状態になってしまい、学習効率を下げる原因になります。できるだけ睡眠リズムを乱さないよう、毎日同じ時間に寝て、朝は日の出とともに起きることが大切です。
受験生こそ、たっぷり睡眠時間をとるべき
深い睡眠には、ストレスに強いメンタルを育てる効能もあるといわれています。これは心の動きをつかさどる前頭葉の機能が、脳の休息、すなわち睡眠によって向上するためです。
起きている時よりも、寝ている時のほうが記憶の忘却率が緩やかになるので、眠気を感じたら、勉強を止めて就寝すべきでしょう。しかし、だからといって「少し眠ってから、また起きて学習すればよい」と、深夜に寝たり起きたりを繰り返すのも逆効果です。平日と休日との睡眠時間にギャップが大きくなることの弊害と同様、深夜の仮眠は、日々の睡眠のリズムを阻害する原因となります。
日中に10分から15分程度の短い仮眠をとることは良しとされていますが、日中よりも深夜の仮眠のほうが体内時計が乱れやすくなるといわれます。不規則に仮眠をとることで、深い眠りを得る時間帯が減っていき、睡眠リズムの乱れを助長することにつながってしまうのです。
「睡眠不足」に良いことはない
合格を勝ち取るためとはいえ、エナジードリンクやコーヒーを飲みながら、毎日のように徹夜で学習を続けていると、過度のストレスや緊張がピークになり、かえって体調を壊してしまうことになりかねません。
睡眠が不足すると、注意力や集中力が低下し、学習に身が入りません。諦めて眠ろうとしても、眠気をうまく誘導できないことにより、イライラ・多動・衝動行為が引き起こされます。さらには、ウィルスへの抵抗力が低下し、風邪などにかかりやすくなる可能性も指摘されています。
睡眠時間が少なく身体が休まらないと、さらにストレスが蓄積されていきます。そして、そのストレスが今度は「寝られない」という状態を引き起こし、慢性的な睡眠不足の原因になっていきます。
いかに良質な眠りを手に入れるか
たっぷりと睡眠をとるためには、血液の循環・呼吸・消化・体温などを調整している、「自律神経」のコントロールが重要です。これが乱れると、身体の各種機能が低下し、勉強のパフォーマンスも落ちてしまいます。
では、規則正しく睡眠をとるためにはどうしたら良いのでしょう。以下に5つのヒントを紹介します。
① 日中は外に出て、太陽光を浴びる
朝起きたら窓を開け、朝日を浴び、朝食をしっかりとるようにしましょう。日中は、ちょっとした散歩でも良いので、外へ出る時間をつくりましょう。勉強は当然大切ですが、一日中室内に閉じこもりきりでは、身体が昼と夜の時間の経過を認識できず、睡眠リズムを乱す原因になります。
② 日中に適度な運動をする
毎日、身体を動かす習慣をつけることで、生活のリズムが整い、自然に深く眠れるようになります。しかし、寝る前に運動することは禁物。運動により交感神経が刺激されてリラックスできなくなり、かえって睡眠の妨げとなってしまいます。
③ 就寝前に、適度に身体を温める
寝る前に、ぬるめのお湯にゆっくり浸かったり、温かい飲み物(睡眠を妨げる成分が含まれないもの)などを飲んだりして、身体を温めましょう。
④ 就寝前に、部屋の照明をオレンジ系に切り替える
白色系の照明の場合、光のなかに含まれるブルーライトが睡眠を妨げる要因になるといわれています。眠る数分前にオレンジ色の照明に切り替えて、脳を睡眠モードへと誘導しましょう。
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